皆さんはハンガーラックを選ぶとき、どんなところに注目していますか?
「素材・サイズ・デザイン・価格…」など、選ぶ理由は人それぞれだと思います。
今回は店舗内装のデザイン設計から施工まで請け負う七彩が、プロ目線でのハンガーラックの選び方を解説していきたいと思います。
そもそもハンガーラックって必要なの?
商品の購買率を上げる為には、商品を魅力的にディスプレイし、お客様に買いたい!と思わせなければなりません。そういう意味ではアパレル店舗にとってハンガーラックは、商品を陳列するために欠かせない什器の一つだと言えます。まずはハンガーラック以外の陳列方法を知ることで、ハンガーラックの重要性を感じて頂けると思うので、まずは陳列方法の種類から解説していきます。
一般的に商品の陳列方法には、ハンギング(掛ける)とフォールディング(たたむ)の2種類があります。
ハンガーやハンガーラックを使用せずに商品陳列するため、シンプルで簡単なディスプレイ方法の一つです。
商品をたたむことで、たくさん陳列しサイズやカラーバリエーションを見せることができますが、お客様は手に取った商品を都度畳んで戻す手間が発生します。
ハンギングの場合、ハンガーごとに商品が掛かっているため、ひとめで全体を見ることができます。そのためお客様が選びやすく、手に取りやすい陳列方法と言えます。
また場面ごとに応じて最適なハンガーラックを選びことで、効果的な店舗ディスプレイを作り上げることが出来ます。
ハンガーラックの種類
洋服をたくさん陳列するのに一番適した形状をしているため、売場づくりの基本となるハンガーラックです。壁面に連続して並べたり、お客様の導線上に設置したりするために使うことが多く、売場レイアウトに重要な影響を与えます。
またベーシックな形状のためアパレル店舗に限らず、オフィスやホテル、ご自宅など幅広い場所で使用できます。
傾斜型ハンガーラックはハンギングするバーが前に向かって斜めになっているハンガーラックです。バーの上にはハンガーが落ちないよう滑り止めの留め具や切りこみが入っており、5点前後商品を掛けて陳列することが出来ます。
傾斜型は商品の正面を見せるフェイスアウト(正面陳列)に特化しており、高さ違いによって後ろにかかった商品もきちんと認識できる作りとなっています。そのため商品の柄やカラー展開をみせるのに適しています。
アルファベットの「T」字に近い形からT字型ハンガーラックと呼ばれています。
バーの幅は50㎝~60cmのものが主流となっており、衣服の側面が見える「スリーブアウト(側面陳列)」に特化したハンガーラックです。
ラックの端にかかっている商品は傾斜ラック同様にフェイスアウトで見せることが出来るため、フェイスアウトとスリーブアウトの良いとこ取りが出来るラックです。コンパクトなサイズで使い勝手も良いため、売場で使用するほか、セール時の打ち出しや店頭イベントなど幅広く活用することが出来ます。
また最近ではマネキンやトルソーの横に置き、コーディネートに使われた洋服を陳列する方法などにも使用されています。
棚什器の中にハンガーバーを組み合わせた什器です。店舗では、よく壁面側にずらっと設置されているかと思います。棚什器型の一番の特徴は圧倒的な陳列力(収納力)。ハンギング(掛ける)だけでなくフォールディング(たたむ)でもディスプレイ出来るため、商品量の多い中規模~大規模売場では必須の什器です。
また通路の途中に高さが低い棚什器を持ってくることで、中島什器(アイランド什器)としてもご使用いただけます。
なお最近は見せる収納としてご自宅のリビングやクローゼットでご使用いただいています。
素材の選び方
【木製】
木製のハンガーラックは温かみのある素材感を活かし、ナチュラルな雰囲気を演出できます。木の本来の色味を使った素地仕上げの他、白や茶色系統を選ぶと、どんな空間にも合わせやすいです。また床の色味に近い色を選ぶと統一感が出るためオススメです。
【プラスチック製】
プラスチック製のハンガーラックは非常に軽く、安全性が高いため子供部屋などに適しています。また安価な製品も多いので、選択肢の一つになると思います。
【金属製】
アイアンやスチールなどの金属を使用したハンガーラックは、パイプ同士を溶接して製作していくため、丈夫で耐久性が高いです。
また他素材に比べ色や形状など、デザインの幅が広いため高級感持ったデザイン性の高い製品が多いです。
なお弊社で取り扱うハンガーラックは必要な量を必要なタイミングで製造するために、すべて国産の金属製(スチール製)となっています。
仕上げの選び方
黒皮鉄をイメージした塗装仕上げ。標準的なブラックに比べマットな仕上がりとなっております。ご使用環境やテイストを選ばない仕上げの為、様々なシーンでご利用いただけます。
スチール生地+クリア塗装
スチール生地+クリア塗装は、溶接や錆など金属パイプ本来の仕上げを活かし、パイプ自体にクリア塗装を施した仕上げとなっています。無機質なインテリアとの相性もよく、武骨ですがクリーンなイメージを与えてくれます。
メッキとは、薄い金属の膜を金属や非金属の製品表面に加工する技術を言います。メッキすることで見た目は美しく仕上がり、劣化やサビ、摩耗の予防効果も期待できます。ゴールドメッキは華やかな空間でのご使用の他、シンプルな空間のアクセントにも活用いただけます。
クロムと呼ばれる金属を用いた、光沢ある銀白色のメッキ加工です。鏡面に近い光沢感が特徴の一つで、ラグジュアリーブランドを始め、上品かつ洗練されたディスプレイにピッタリな仕上げです。またクロームメッキは腐食しにくく錆びにくいため、店舗什器に良く使われます。
美しい赤みを帯びた銅色(コッパー)に近しい色を表現したメッキ仕上げ。銅メッキはコッパー色のほか、カッパー色とも呼ばれております。彩度が低くやさしい色味のため、ウィメンズ系ブランドの店舗に良く使われています。ピンク系の色と特に相性がよく、上品かつ健康的な雰囲気を表現します。
サイズの選び方
ハンガーラックを検討される際、どのくらいの幅が必要か迷われる人が多いかと思います。実際に設置する場所を採寸したうえでサイズを検討することももちろん大事ですが、どのくらい商品を掛けるかでも検討の余地はあります。
一般的に、商品をゆとりをもって陳列するためには1着10cm程度の幅が必要となります。そうすると90cm幅へは9着、120cm幅へは12着が適正な数量となります。
またハンガーラックは高さも重要です。弊社のハンガーラックの多くは床下から160cmで設計しています。この高さは一般的に女性の目線が高さ140cmと言われており、その目線上に商品が見えるよう160cmとしています。また傾斜ラックとT字型ラックは床下から140cmで設計しています。これは身長160cmの女性がもっとも商品を触りやすい高さは、床下から85cm~125cmと言われているため、より商品に手の届きやすい高さとなっています。
なお弊社のハンガーラックは溶接から仕上げまで全ての工程を国内の工場で行っているため、幅や高さ、仕上げなどをお客様のご要望にあわせイチから変更可能です。また社内に経験豊富なデザイナーが多数所属しておりますので、店舗独自ののオリジナル什器の設計も可能です。
【お問い合わせはこちらから】
ハンガーラックのお選びに困った際は、お気軽に弊社へご相談ください。最良の一本に出会えるよう、スタッフ一同お待ちしております。